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~怖い話~花粉症

2026年04月29日 20時32分

春になると、母は決まって言った。

 

「今日は花粉が多いから、窓開けちゃだめよ」

 

子どもの頃から、うちはそれが妙に厳しかった。

 

換気もだめ。
洗濯物も外に干さない。
学校から帰ったら玄関で服を払って、すぐ風呂。

 

父も私も花粉症ではなかったから、母だけが神経質なのだと思っていた。

 

でも一度だけ、母が留守の日に窓を開けたことがある。

 

小学生の私は、春の匂いが好きだった。
ぽかぽかして、庭の梅の花も揺れていて、少しだけならいいと思った。

 

網戸を開けた瞬間、風が入った。

 

その風に混じって、黄色っぽい粉がふわっと部屋に舞い込んだ。

 

その直後だった。

 

奥の和室から、
「……入れたね」
と声がした。

 

母の声ではなかった。

 

私は固まった。

 

和室には誰もいないはずだった。

 

でも障子の向こうに、何かが立っていた。

 

人の形に見えた。
ただ、顔のあたりがぼんやりしていて、そこだけ花粉が濃く集まっているみたいだった。

 

それは障子越しに、ゆっくり鼻をすする音を立てた。

 

ずる、ずる、ずる。

 

私は泣きながら窓を閉めた。

 

すると、それは言った。

 

「もう、匂いを覚えたから」

 

その日から、私は春になると鼻がむずむずするようになった。

 

病院では花粉症だと言われた。

 

母は私の診断書を見て、黙って泣いた。

 

それから何年も経った。

 

今では私も大人になり、母はもういない。
古い実家を片付けるため、久しぶりに春の庭へ戻った。

 

マスクをしていたのに、鼻水が止まらなかった。
目もかゆい。喉も痛い。

 

「ああ、花粉ひどいな」

 

そう思って、ふと庭を見ると、梅の木の下に誰かが立っていた。

 

黄色い粉を全身にまとった、人の形。

 

顔はない。

 

でも、鼻をすする音だけがした。

 

ずる、ずる、ずる。

 

私は慌てて窓を閉めようとした。

 

そのとき、背後の和室から声がした。

 

「今年は、あなたの子ども?」

 

振り向くと、閉めきったはずの部屋の中に、黄色い粉が薄く積もっていた。

 

そしてその粉の上に、小さな足跡があった。

 

玄関からではない。

 

窓からでもない。

 

私の娘の部屋へ向かって、まっすぐに。

 

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