club 7UP (セブンアップ) 小山・西口 キャバクラ

栃木県小山市中央町3-1-11  TEL:0285-30-7868
  • お気に入り登録お気に入り登録

キャンセル

保存

ブログ

*りょうさんのブログをテキスト検索

夜の学校見回り

2026年06月24日 18時42分

夜の学校見回り

俺が通っていた高校では、文化祭前だけ生徒の夜間作業が許されていた。

もちろん、先生の見回り付き。

夜九時になると完全下校。
その前に、先生が各教室を回って、残っている生徒がいないか確認する。

その日、俺たちのクラスは準備が遅れていた。

お化け屋敷の装飾が終わらず、先生に頼み込んで、ぎりぎりまで残らせてもらった。

夜八時五十分。

担任の小野先生が教室に来た。

「あと十分で帰れよ。見回り終わったら施錠するからな」

「はーい」

俺たちは適当に返事をした。

でも、先生が出ていったあと、友達の健太が言った。

「なあ、最後に旧校舎の写真撮りに行かね?」

旧校舎は、今は使われていない木造の建物だった。

文化祭のお化け屋敷の背景画像に使えそうだから、という理由だった。

本当は立ち入り禁止。

でも文化祭前でテンションが上がっていた俺たちは、軽い気持ちで旧校舎へ向かった。

旧校舎の廊下は真っ暗だった。

スマホのライトをつけると、古い掲示物や剥がれた壁紙が浮かび上がる。

「雰囲気あるな」

健太が笑った。

俺たちは何枚か写真を撮った。

そのとき、廊下の奥から音がした。

カツン。

カツン。

革靴の音。

先生の見回りだと思った。

「やばい、隠れろ」

俺たちは近くの教室に飛び込んだ。

息を殺していると、廊下を歩く音が近づいてくる。

カツン。

カツン。

カツン。

教室の前で止まった。

ガラス戸の向こうに、人影が立っている。

細長い影。

手には懐中電灯。

小野先生だと思った。

でも、何かおかしかった。

影が、動かない。

ずっと教室の中を覗いている。

健太が小声で言った。

「先生……?」

返事はない。

次の瞬間、廊下に低い声が響いた。

「一人、残ってるな」

俺たちは顔を見合わせた。

その声は小野先生じゃなかった。

もっと年寄りの、知らない男の声だった。

ガラス戸が、ゆっくり開いた。

ギィ。

スマホのライトが、勝手に消えた。

真っ暗な教室の中に、懐中電灯の光だけが入ってくる。

その光が、机の上、黒板、窓際をなぞっていく。

そして俺たちのいる掃除用具入れの前で止まった。

男の声がした。

「出てきなさい」

健太が震えていた。

俺も動けなかった。

すると、掃除用具入れの扉が、外から少しずつ開き始めた。

俺は思わず内側から押さえた。

でも、向こうの力が強い。

隙間から、懐中電灯の光が入ってきた。

その光の向こうに、男の顔が見えた。

年配の教師のような顔。

でも、目がなかった。

黒い穴だけが、こちらを見ていた。

「下校時間だ」

俺は健太の腕を掴んで、反対側の窓から廊下へ飛び出した。

そこから全力で走った。

階段を下りる。

廊下を曲がる。

出口へ向かう。

でも、走っても走っても、同じ廊下に戻ってくる。

古い掲示板。

割れた花瓶。

三年二組の札。

何度走っても、同じ場所だった。

健太が泣きそうな声で言った。

「閉じ込められてる」

そのとき、校内放送が流れた。

ザーッ。

古いスピーカーから、ノイズ混じりの声。

『夜間見回りを始めます』

俺たちは固まった。

『残っている生徒は、教室で待機してください』

声は続いた。

『見つけ次第、連れて帰ります』

廊下の奥から、また足音がした。

カツン。

カツン。

カツン。

今度は一人じゃない。

いくつもの革靴の音が、廊下のあちこちから聞こえてくる。

俺たちは近くの階段を駆け上がった。

二階の一番奥に、理科準備室があった。

そこに逃げ込む。

中は薬品棚と古い標本だらけだった。

息を殺していると、健太が俺の肩を叩いた。

黒板に、白いチョークで文字が書かれていた。

見回りに名前を呼ばれても返事をするな

その文字を見た瞬間、廊下から声がした。

「健太くん」

健太の顔が凍った。

声は、さっきの男ではなかった。

小野先生の声だった。

「そこにいるんだろ?」

健太が口を開きかけたので、俺は慌てて手で塞いだ。

廊下の声は優しく続けた。

「怒らないから出てきなさい」

でも、その声の後ろで、別の声が何重にも重なっていた。

「返事しろ」

「返事しろ」

「返事しろ」

俺たちは朝まで理科準備室に隠れていた。

いつの間にか足音は消え、外が明るくなっていた。

本校舎へ戻ると、本物の小野先生が血相を変えて走ってきた。

「お前ら、どこにいた!」

俺たちが旧校舎にいたと言うと、先生の顔色が変わった。

先生は小さく言った。

「昨日の夜、見回りはしてない」

「え?」

「八時半に警報が鳴って、旧校舎は封鎖されてたんだ」

俺たちは言葉を失った。

あとで聞いた話では、昔、旧校舎には夜間見回り担当の教師がいたらしい。

文化祭前の夜、残っていた生徒を探しに行って、そのまま行方不明。

その後、生徒も一人消えた。

それ以来、旧校舎は使われなくなった。

その日の放課後、健太がスマホの写真を確認して叫んだ。

旧校舎の廊下を撮った写真。

そこには、俺たちの背後に、目のない教師が立っていた。

そして黒板には、俺たちが見たものとは違う文字が書かれていた。

次の見回り担当 二名

 

 

スーパーイイネ!  [0]
スーパーイイネをもっと見る
イイネ! [0]

※( )は、体験談投稿数です。

イイネをもっと見る
RSS1.0フィード RSS2.0フィード
プロフィール
女の子の名前

名前りょう(リョウ) [20才]
T220
肩書き:おれかおれ以外か
血液型:O型
前職:OL
出身地:栃木県
お酒・タバコ:飲めない・吸わない

最近のブログ
過去のブログ
2026年7月(14)
2026年6月(30)
2026年5月(3)
2026年4月(7)
2026年3月(1)
店舗写真 club 7UP・セブンアップ - 小山・西口のキャバクラ
住所
栃木県小山市中央町3-1-11
営業時間
【火曜~金曜】20:00~LAST
【土曜・日曜】19:00~LAST
※予約不可
Webサイト
セブンアップ公式HP
その他情報
カードが使える

ページトップへ