おこり - まりん - CLUB ROYAL GARDEN・ロイヤルガーデン - 平和島のキャバクラ
CLUB ROYAL GARDEN (ロイヤルガーデン)
平和島 キャバクラ
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おこり
2026年06月16日 23時52分
夏になると、冷蔵庫の製氷機が忙しくなる。
コップに氷を入れて麦茶を注ぐ。アイスコーヒーを作る。そうめんを冷やす。特別な行事でもないのに、一日に何度も氷を使う。
不思議なのは、氷そのものについて考える機会がほとんどないことだ。
冷蔵庫の奥では、今日も誰にも見られないまま水が凍っている。人間が寝ている間も、外出している間も、黙々と氷を増産している。まるで夜勤専門の工場だ。
たまに製氷ケースを開けると、四角い氷が山になっている。
あれを見るたびに少しだけ感心する。
頼んだ覚えもないのに、必要になる前から準備されているからだ。
人間関係でも仕事でも、「先回りして用意しておく」というのは意外と難しい。必要になってから慌てて動くことの方が多い。それなのに冷蔵庫は文句も言わず、氷を備蓄し続けている。
考えてみれば、氷というのも変な存在だ。
水は透明なのに、氷になると白く見える。触れば冷たい。当たり前のようでいて、もし地球上で初めて氷を見る人がいたら結構驚くと思う。
透明な液体が、ある温度を境に突然固体になる。
しかも飲み物に入れると、今度は自分の身体を少しずつ削りながら消えていく。
氷は生まれた瞬間から消滅する運命が決まっている物質なのだ。
だからだろうか。
氷を見ていると、なぜか少しだけ時間のことを考える。
コップの中で角が丸くなり、小さくなり、やがて姿を消す。その変化はとてもゆっくりなのに、確実だ。
気づけばアイスコーヒーは薄まり、グラスの外側には水滴がついている。
時間というものも、たぶん似たようなものなのだと思う。
毎日はほとんど変わらないように見える。でも数か月後、数年後に振り返ると、ちゃんと形が変わっている。
製氷機の話をしていたはずなのに、いつの間にか人生の話になってしまった。
こういうことが時々ある。
麦茶を飲もうとして冷蔵庫を開けただけなのに、なぜか存在について考えている。
人間の脳はずいぶん暇なのだと思う。
そんなことを考えながら製氷ケースを見ると、また氷が増えていた。
私が勝手にあれこれ考えてる間も、冷蔵庫は真面目に仕事をしていたらしい。
少し見習った方がいいのかも。
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