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テキーラの夜 静岡の風

2025年09月15日 22時05分


 
 
 
静岡市の中心街は、金曜の夜になるとネオンが星空みたいに街路を埋め尽くす。私、名札には「みお」と書いてある。25歳。の店員だ。
 
「今日もいっぱいお酒を回しちゃうわよ〜!」と鏡の前でポーズを決める私。鏡には、隣の席の常連さんが写って見える。彼は今日も真っ直ぐな目で私を見つめている。
 
入口のベルが鳴り、次々とお客さんが入ってくる。カウンターには、私と同じくらいの年齢のママさん、そして新人のミユキ。私はふたつのグラスを同時に片手で揺らしながら、挨拶する。
 
「いらっしゃいませ、静岡の夜をテキーラで締めくくりましょうか?」
 
ミユキが不安そうに隣でコップを拭く。「テキーラって強いですよね?私、まだ慣れてなくて…」
 
私は笑って肩をすくめる。「大丈夫、大人の階段はテキーラ一杯から始まるって、誰かが言ってた気がするわ。飲んだことない人には、まず氷少なめの“ミニテキーラ”を勧めるの。味わいが出るからね。」
 
ミユキは半信半疑の顔をして、私の横に腰を下ろす。客席の奥では、バンドがリズムを刻んでいる。ベースの音が低く、心地よく胸に響く。
 
「みおさん、今日のおすすめは何ですか?」と新しいお客さん。
 
「今日の主役はこれ、テキーラ・サンライズ。オレンジジュースとザラメを少しだけ。夜明けの色ね。」
 
「ほほう、それは飲みやすそうだね」と彼。私はカウンターの奥にある瓶を指さす。
 
「まずは“普通のテキーラ”からいく?それとも、“ちょい甘テキーラ”から始める?」
 
客は少し笑い、選ぶ。私はボトルを取り出して、ひと振り分ける。カクテルの作り方は私の小さなパフォーマンスだ。
 
私はグラスを回しながら言う。「テキーラは宇宙の液体って言われてるんだ。開けるとき、宇宙船の扉が開くみたいにシュッとね。」
 
ミユキがすかさず。 「宇宙船って、そんなに軽く開くんですか?船長、今夜はどの惑星へ行くんですか?」
 
私は手を広げて説明する。「惑星・静岡、軌道は繁華街。目的地は笑いと拍手。」
 
笑いが店内に広がる。私は氷を入れたグラスを斜めにして、テキーラを注ぐ。
 
「乾杯の前に一言。テキーラは生きてる。舌の上でドラマが始まるの。だから、味わってほしい。」
 
 
 
私は真剣な顔で。「このテキーラ、夜更けの静岡の風を集めてきたの。だから、飲んだ瞬間に“風、吹いた!”って感じるはず。」
 
お客さん。「風って、どういうことですか?」
 
私は肩をすくめて。「私が吹かせた風よ。お代わりどうです?」
 
その瞬間、店の奥でスタッフ同士の掛け合いが始まる。先輩のアユミが新しいカクテルの試作をしている。
 
「このリキュール、ちょっと甘すぎるんじゃない?」とアユミ。
 
「甘さは恋のエッセンスだよ。恋は強めのテキーラみたいに一杯で終わらない。だから甘さも控えめにね」と私。
 
 
 
 
私はグラスを掲げて。「恋はテキーラのようなもの。口に含んだ瞬間に“おおっ”と喉奥まで広がる。」
 
ミナコが指摘する。「でも、喉が焼けるときもあるから、飲み過ぎには注意だよ。」
 
私は微笑みつつ。「そうそう、喉には小さな防波堤が必要。塩とレモンを添えて、波を抑えるの。」
 
私はお客さんのグラスを見回す。飲み物が進むにつれて、会話も自然と活気づく。
 
「お題のテキーラは、ただの酒じゃない。静岡の夜景を映す鏡のようなものだ」と私は語る。
 
「鏡?どういう意味ですか?」
 
「静岡の中心街は、夜になると人の光で輝く。テキーラを一口飲むと、灯りの輪郭がくっきり見える。会話の輪も、さらに広がる。だから、テキーラを通じて人と人が近づくんだ。」
 
客の一人が微笑む。「なんだか、夜景の解説書みたいだね。面白い。」
 
 
 
 
私はウインクして。「夜景はね、酔っ払いの友だちにも優しいの。暗闇の中で、光だけが友達になるのよ。」
 
ミユキが笑いながら。「それ、飲みすぎ注意って意味ですよね?」
 
私は頭を軽く振る。「もちろん。適量を守るのが“大人の嗜み”だよ。最初はミニサイズから。慣れてきたら、もう一杯どうぞ。」
 
夜は深まり、客足も落ち着かない時間帯。私はカウンターの向こうで、テキーラの液面を静かに見つめる。
 
「この街の夜も、忙しいね」と私。
 
「ええ、でもこの忙しさが私たちのストーリーを作ってるんだと思う」とミユキ。
 
私はグラスを拭きながら、笑顔で言う。「ストーリーはまだ終わらない。次のテキーラを待つ人がいる。次の笑いが生まれる瞬間が来る。」
 
私はグラスを高く掲げて。「テキーラよ、君は夜の案内役だ。迷える人々を、笑いと会話の道へ導け。」
 
お客さん。「案内役、いいね。夜のナビゲーターだ。」
 
店内が再び暖かくなる。音楽と笑いと、テキーラの香りが混ざり合い、静岡の夜空に小さな花火が咲く。
 
夜時間が終わりに近づくころ、常連の男性が私に話しかける。
 
「みおさん、今夜は最高だった。テキーラのせいで、悩み事も少し薄れた気がする。」
 
私はグラスを置く。「それが狙いだよ。テキーラは、心のちょっとした荷物を、軽くしてくれる力がある。もちろん、飲み過ぎには注意だけど。」
 
彼は頷き、名残惜しそうに席を立つ。「また来るよ。次はどんな夜になるかな?」
 
私は笑って返す。「次も、きっと楽しい夜になる。静岡の夜を、また一緒に味わいましょう。」
 
店の灯りが少しずつ落ち、最後のビートが鳴り終える頃、私はカウンターを拭き、日記のような覚書を pen に走らせる。
 
「今日もテキーラが私たちの夜を照らしてくれた。静岡の中心街、あなたの笑顔、そしてこの一杯の前向きな力。明日も、きっと同じ光景が待っている。」
 
そして、静岡の街は再び眠りにつく。テキーラの残り香だけが、私とこの夜の記憶を静かに結ぶ。
 
 

 

 
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名前まっすー(♂) [33才/スタッフ]
T171
血液型:O型
前職:その他
出身地:静岡県
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