「水商売って夜働くお姉さんのことだよね?」そう多くの方が思うでしょう。確かに現在ではそういった意味合いが強くなっていますが、本来はもっと多くの職業を”水商売”と呼ぶのを知っていますか?今回は知ってそうで知らなかった、水商売の由来についてご紹介します。また水商売の職業別にももちろん由来は存在します。「キャバクラやスナックの由来とは?」その答えを知りたい方もぜひご覧ください♪
「水商売=夜のお仕事」は間違い!他にもある水商売の範囲
まずは水商売の由来を知る前に、水商売そのものの意味を知りましょう。そうすればその後に紹介する水商売の由来が、ぐっと意味を持つ興味深いものになるはずですよ。
「水商売ってどんな職業を指すの?」この答えの回答は、Wikipediaにある水商売の定義を見ればわかってくるはずです。
<blockquote>水商売(みずしょうばい)とは、先の見通しが立ちにくく、世間の人気や嗜好に大きく依存し、収入が不確定な業種や職業、およびそうしたものに従事する人を指す日本の俗語である。</blockquote>
引用:Wikipedia
簡単に要約すると、「水商売=人気と収入が不安定な職業」。夜のお仕事とはかなり違うニュアンスを感じませんか?本来の意味で使われる”水商売”の範囲を見てみましょう。
スポーツ選手・アイドル・YouTuberだって水商売
水商売と聞いてすぐ思い浮かぶのは、以下のような職業でしょう。
- キャバクラ
- スナック
- ラウンジ
- ガールズバー…etc
もちろんこれらも「人気と収入が不安定な職業」ですので正解ではあります。しかしそれ以外にも、下記のような職業も水商売なのです。
- お笑い芸人
- 女優・俳優
- 歌手
- アイドル
- スポーツ選手
- ブロガー
- SNSインフルエンサー
- YouTuber…etc
最近若年層に人気のYouTuberや、主にInstagramで活躍するインフルエンサーたちも立派な水商売です。なぜなら「人気があれば稼げるけど人気がなくなれば稼げなくなる」が水商売の定義だから。
今やYouTuberは小学生が憧れる職業1位を獲得する地位を確立しましたが、「小学生が水商売を目指している」と言い換えると、なんだか奇妙な感じがしますね。
大事なのは”人気”に左右されること|収入が不安定=水商売ではない
水商売の定義が「人気と収入が不安定な職業」なのはお分かり頂けたでしょう。しかしここで注意すべきは「収入が不安定=水商売」ではないということです。
例えば天候に収入を左右される職業といえば、漁師や農家が思い浮かびます。しかし彼らは”人気”に左右されるわけではないため、水商売ではありません。
他にも日雇い労働者も安定はしていませんが、これも”人気”が原因ではないため除外されます。あくまでも水商売は「人気によって収入が左右される職業」だと覚えておきましょう。
水商売の由来4つ|有力視されているのは「水=不安定」説
おまたせしました!水商売の範囲や定義を理解したのであれば、いよいよその由来を知るときです。
水商売の由来には諸説あり、「これが正解だ!」とされるものはありません。しかし上記で紹介した定義を見てみると、その中でも1つだけ有力なものが浮かび上がってきました。
まずは水商売の由来とされる4つの説を、1つ1つ見ていきましょう。
水商売の由来①:”水”は安定性に欠けるものだから
水は決して安定した物質ではありません。湖の水はほんの些細な風で波紋が広がりますし、手のひらにすくった水はちょっとの隙間からでも流れ落ちてしまいます。暑ければ乾いてなくなり、寒ければ凍って別のものへと変化してしまうでしょう。この水の不安定さをもって、”水商売”とする説です。
人気に収入が左右される=安定性がない=不安定=水(商売)になったわけですね。夜の仕事や性を売りにしている職業以外にも当てはまりますし、「なるほど!」と納得できる気もします。
水商売の由来②:昔の芸妓や遊女を「泥水商売」「泥水稼業」と呼んでいたから
江戸時代にあった職業、遊女や芸者を「泥水商売」「泥水稼業」と呼んでいました。これが現代のキャバ嬢やホステスに該当することから、水商売になったとされる説です。「泥水商売」「泥水稼業」の意味は”見た目は華やかだが仕事内容や環境は泥のように厳しいもの”からきているようですが、確かに現代のキャバ嬢やホステスにも当てはまるかもしれません。
とはいえこの説では芸能人やYouTuberなど、他の水商売には該当しなくなってしまいます。ただ遊女たちを「自分(の魅力や技術)をウリにする職業」と言い換えるのであれば、これはこれで今の”水商売”に該当するのかもしれませんね。
水商売の由来③:「水=元手がいらない」商売だから
今では普通にコンビニにも売っている水ですが、ほんの10年・20年前には「水を買う」なんて信じられない行為でした。なぜなら水なんて蛇口を捻れば出てくるからです。個人的な話になりますが、私の祖父も未だに「お金を払わずとも手に入るものなのになぜ買うのか」と話します。
そう、水は手に入れようと思えばお金をかけずとも手に入れられるものです。上記でも述べたように、水商売のほとんどは自分の魅力や技術をウリにしている職業であって、製品等を売る職業ではありません。このことからも元手がかからない職業=水商売になったと言われています。
水商売の由来④:休憩所を指す「茶屋」「水茶屋」が元祖だから
「茶屋の看板娘が悪漢に襲われ、それを主人公が助ける」これは時代劇でもよく見かける定番のシーンです。この茶屋+看板娘が、現代のキャバクラ・キャバ嬢、スナック・ホステスに繋がったとされる説です。
この看板娘を目的に茶屋を利用する旅人もいたそうで、江戸幕府が「風紀を乱す」と規制した過去もあります。そう聞くと確かに現代の水商売に相通じるものがありますが、これでは他の水商売には当てはまりませんね…。
ただ由来ができた順番を入れ替えるとわかりません。例えば「茶屋=キャバクラ・スナック等」が先に成立して、その後”水”に引っ張られて他の説ができた、なんて考え方もできるのです。こうしてみると4つの説がどれも正解な気がしてきます。未だに「諸説アリ」と言われるのも頷けますね。
水商売の職業別の由来7つ
ここまで水商売の定義・範囲・由来についてご紹介してきました。次に紹介するのは、水商売の職業別の由来です。例えば私たちは当たり前のように「キャバクラ」と呼んでいますが、「その由来は?」と聞かれれば答えられません。
他にも一般的に連想される”水商売”7つにも、すべて由来が存在するのです。ここからは知っているとお店で会話が弾むかもしれない、それぞれの由来を学んでいきましょう。
①キャバレーの由来
キャバレーが通じるのは、今50代・60代になっているおじさま世代です。若年層はほとんど知らないでしょう。今現在「キャバレー」として営業しているお店は、地方に少数存在するのみです。しかしこの後に紹介する”ある職業”にも繋がりますので、敢えて紹介させて頂きました。
さて、キャバレーの由来ですがこれはフランス語の「cabaret」からきています。これを正しい発音で聞くと「キャヴァヘ」と聞こえるので、発音しやすい日本語にすると「キャバレー」になったのでしょう。
フランスのcabaretは、歌・ダンス・トークなどのショーが行われ、それを見ながらお酒を楽しむ場になります。この営業形態は日本のキャバレーも変わりません。1960年代の”夜の仕事”といえばこのキャバレーでした。
②クラブの由来
クラブの由来は、聞き馴染みのある英語の「club」そのままです。元の意味は「同じ趣味を持つもの同士が集う会員制の団体」で、ヨーロッパでも18世紀頃にはクラブと同じ形態のグループがあったとされています。
日本では1863年に発足した「外国人クラブ」や、鹿鳴館を拠点とした「東京倶楽部」などがありました。現代では部活等をクラブと呼んだりもしますが、これも同じ由来です。
現代の夜のクラブへと変化したのは、女性が男性をもてなす側でいた「社交界倶楽部」がキッカケでした。これがそのまま派生・進化してクラブになったのです。この由来だからこそ、今でも”会員制クラブ”などちょっと高級なお店が多いのですね。
③キャバクラの由来
①番でキャバレーを紹介したのは、このキャバクラのためです。キャバクラは「キャバレー+クラブの造語」が由来になっています。今ではショーを行うお店などありませんが、キャバクラが登場した1980年代半ばには、しっかりショータイムもあったそうですよ。
また今では”夜のお仕事”の代表格でもあるキャバクラですが、登場してからずっと順風満帆だったわけではありません。バブルが崩壊した1991年に、多くの店が閉店に追い込まれました。しかし崩壊影響が落ち着いた1993年を境に、徐々にその活気を取り戻していったといいます。
そしてその再起後あたりから、ショーをなくして経費を削減した、今の接客とお酒のみを楽しむキャバクラになったのです。1つの職業でも、由来や過去を調べると色んな事実がわかるものですね。
④スナックの由来
大人な男女が集う場、そんなイメージがあるスナックは、英語の「snack bar(スナックバー)」からきています。英語の「snack」は「軽食」を意味しており、”軽い食事を提供してくれるバー”という意味合いです。
確かにキャバクラよりもスナックの方が、フードメニューは豊富な傾向がありますね。地方のスナックともなれば、厨房にシェフとして男性1人を雇っているお店も少なくありません。
またキャバクラと大きく違うのは”ママ”の存在です。ママの由来は「戦後に進駐軍たちがくる飲み屋を切り盛りしていた女性をMom(マム)と呼んだから」らしいのですが、元の由来「snack bar」との関係性はわかりませんでした…。
⑤ラウンジの由来
ラウンジの由来も、クラブ同様とてもわかりやすいですよ。英語の「Lounge(ラウンジ)」からきています。ただ英語圏でのラウンジといえば、多くの場所を指す言葉です。ホテルのロビー・自宅のリビング・劇場内の休憩所など、挙げればキリがありません。
しかし総じて言えるのは、ラウンジ=くつろげる休憩スペースだということです。そのため日本のラウンジは、この「くつろげる場所」からきているそう。確かにキャバクラよりも、落ち着いてしっとりとした時間を過ごす場所です。
またLoungeは動詞として「ゆったり座る・もたれかける」などの意味もあるため、より日本のラウンジに近い印象になりますね。カウンターよりもソファがあるボックス席が多いのも、この由来のためかもしれません。
⑥ホストクラブの由来
こちらも英語が由来になっています。クラブは②番で紹介した通りですが、ホストは「お客様を招く主人」を表す「host」です。ちなみに招く主人が女性であれば「hostess(ホステス)」になるので、スナックで勤務している女性を表す言葉になります。
どちらも英語のため海外で話しても通じそうなものですが、実際には”ホストクラブ”は日本の造語で通じることはありません。似ている営業形態のお店がないのも要因ですが、仮に表現するならば「Male host bar」、もしくは「Male host club」になるので要注意。
男性が招く主人のお店が「ホストクラブ」ならば、女性が招く主人のお店は「ホステスクラブ」になっても良さそうなもの。なぜか女性側だけ「スナック」になるのは面白い変化ですね。
⑦ガールズバーの由来
最後に紹介する職業別由来は「ガールズバー」です。これももちろん英語の「Girls+bar」ですが、実は日本でのみ通じる造語です。海外では通じません。なぜなら海外での「girl」は一般的に12歳頃までの少女を指す言葉だから。「12歳未満の少女が酒を提供する」など決してあり得ないため、この単語を使えばひどく驚かれるでしょう。
日本ではガール=若い女性程度の印象ですが、由来となった英語圏内ではあり得ないシチュエーションを表す言葉です。もし仮に英語で言い表すならば「hostess bar(ホステスバー)」が無難。万が一のために覚えておきましょう。
このガールズバーもそうでしたが、クラブ・スナック・ラウンジなど、英語が由来になっている水商売はたくさんありました。しかしそのすべてが造語であり「お姉さんとお酒を楽しむ場所」には決してなりません。英語だからといって不用意に使うと、間違った解釈を与えてしまいますので気を付けてくださいね。
水商売の由来は安定性のない”水”からきていた
最後に水商売の由来となった4つをおさらいしてみましょう。
①人気次第で収入が安定しない様を「不安定な水」で例えたから
②キャバクラ等の元祖となった遊女「泥水稼業」が派生したから
③商品ではなく自分を売る「元手がかからない」仕事だから
④「茶屋+看板娘」が派生したから
いずれも説得力がありそうな由来ばかりでした。今でも「これが正解です」とする答えはありませんが、だからこそお店で話せばキャストたちも興味を持ってくれことでしょう。他にも職業別で紹介した7つの由来も使って、ぜひ楽しいひと時を過ごしてみてくださいね。
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